釧路の長い冬がはじまりました。
さて、今日はこんな質問をいただいたのでお話したいと思います。
『虫歯で歯の神経を抜くと、痛みはなくなりますが神経は何の役に立っているのでしょうか?硬い歯の中なので意味がないような気がします。』
世の中で一般的に神経と言われているのは、歯髄のことです。歯髄というのは、歯の中心にあって、歯髄細胞、象牙芽細胞、円錐細胞、膠原繊維、神経、血管、リンパ管などからなっています。
以前に歯からクローン!?
http://www.homma-dent.com/2016/08/23
でお話ししましたが歯髄には身元を判断するDNAつまり遺伝子があります。その他にも歯髄には痛みを感じる役割や、象牙質の形成、歯への栄養の供給、炎症などの刺激に対する防御反応など様々な働きがあります。
例えば、歯が割れるといったトラブルは、歯髄のある歯より歯髄のない歯の方が多いです。
「歯髄がない歯は、歯髄のある歯と比べて咬む力に対して2.5倍鈍感である」という論文もあります。そのため、割れたりする可能性が高いと言えます。
『感染していない歯髄であれば、極力残したい』私たち歯科医師は、いつも思います。
Randow,K.,Glantz,P.O(1986)On cantilever loading of vital and non-vital
teeth.An experimental clinical study.Acta OdontologicaScandinavica 44,271-7