歯とカルシウム

『妊娠中は、赤ちゃんにカルシウムを取られるから虫歯になりやすい?』こんな質問を先日受けたのでこのことについてお話したいと思います。

妊娠中は、赤ちゃんにカルシウムを取られるから虫歯になりやすい、歯がボロボロになるという話は昔から言われています。聞いたことがある方も何人かいらっちゃるのではないかと思います。

しかし、本当のところは間違っています。一度作られたカルシウムやその他の成分が歯から溶け出ていくことはありません。つわりの影響で歯磨きがおろそかになってしまったり、食で好むものが変化することで虫歯が急に悪化することはあるようです。このことで、赤ちゃんにカルシウムが取られるからではないかという説が生まれたと考えられます。

しかし、妊娠中は赤ちゃんの骨はもちろん、歯の芽というべきものが作られる時期なので、妊娠中もバランスの良い食事をこころがけなければなりません。食べたカルシウムは胎盤を経由し赤ちゃんへ届けられるため、良質なタンパク質やカルシウムを十分取らなければなりません。

これは余談ですが、『牛乳をたくさん飲むとカルシウムの摂取につながり、骨粗鬆症の予防に有効である』と世界中の多くの研究者、医師により報告されています。国内では、牛乳や乳製品の摂取量を増やすと小児期には骨量増加に役立ち、中高年の女性には骨量減少を抑えるという結果が2002年度の厚生労働省科学研究などで発表されています。

北海道には、自然がいっぱい。そして、美味しい牛乳もいっぱいあります。良質なカルシウムを取り、健康を一緒に維持しましょう。

本間榮一歯科診療室のプリントに書いてある【歯じょうぶ 胃じょうぶ 大じょうぶ】まさにコレです。

 

虹別近郊

 

お口の中にカビ?

梅雨の時期になりました。北海道には、梅雨がありませんがお天気が不安定ですね。

梅雨の時期と言えば、カビが気になりますね。お口の中にカビが生えることをご存知ですか?

原因は、健常者の口腔内にもいるカンジタ菌という真菌(カビの一種)です。それが異常に増加し、病原性を発揮することがあります。その場合、舌や上顎の粘膜に白い苔のようなものができ、それがはがれると赤く腫れたり出血があり、舌全体が腫れたりする場合があります。さらに、舌が痛いや味覚がいつもと違うといった違和感を感じることもあります。

免疫低下、口腔乾燥、消毒薬での過度のうがいによる常在菌のバランス悪化が異常な増殖につながります。また入れ歯と口腔粘膜の間には唾液が流れにくいためカンジダ菌増殖の温床になりやすいので気をつけなければなりません。

予防策としては、毎食後の歯磨きとこまめうがいで口腔内を清潔に保ち、適度な湿度を維持することが大切です。お口が乾燥しやすい方は、当院でおすすめできるマウスウォッシュがあります。

もし、心当たりのある方はご相談ください。

 

脱水症

桜の季節も終わり、初夏の頃になってきました。

この頃になると、季節外れの暑さになることも多く、テレビなどでも脱水症について度々報じられるようになります。

今回は脱水症のお話しをさせていただきたいと思います。

生物の体の水分が足りなくなることを脱水と言いますが、そもそも人間の体にはどれくらいの水分が必要なのでしょうか?

健康な成人の場合、体重の60%が水と言われています。60kgの人の体では36kgが水という計算になります。そして水は1g=1mlですので、体の中には36Lの水があることになります。

その水分の中で、どうしても人が失ってしまう水分があります。

1つ目は尿です。尿は体の不要な物質を溶かして捨てるために体が使用している水分になりますが、体重1kgあたり1時間で0.5mlは最低必要とされています。60kgの人であれば、1時間30mlは必要です。1日では30ml×24時間で720mlが必要です。

2つ目は体から知らず知らずに蒸発している水分です。普通(体温36℃、気温28℃)であれば皮膚から600ml、呼吸の中から300mlの合計900mlが1日に出て行ってしまうと言われています。これは当然体温と気温にも大きく左右され、体温または気温が1度上昇すると15%程度増加すると言われています。

これらの水分の合計1620mlが体重60kgで体温36℃の人が気温28℃の中にいる際に最低限必要な水分ということになります。500mlのペットボトル3本とちょっとですね。私が最初にこの話を聞いたときには「朝昼晩の食事のときにペットボトルを1本ずつ飲まないといけないの?ちょっと厳しいなぁ」と思いました。これは私が体に必要な水を全て飲み水で補わないといけないと思ったために起きた勘違いです。

続いては人が摂取している水分についてです。人は飲み水からも水を摂取していますが、食べ物からも水分を補っています。先ほど、「人の体の60%が水」とお話ししましたが、それでは食べ物はどうなのでしょうか?

例えばご飯は1杯あたり90mlの水が含まれているそうです。また、レタスやトマトなどの野菜はその95%程度が水分です。人は1日あたり1L程度の水を食事から摂取しているそうです。普通に食事が摂れる方であれば、最低620mlの水を飲めばいいことになります。

炎天下の中、何か作業をされたりする方は、そこにいるだけで失われる水分は増えます。汗をかいたりするとさらに増えます。そして、そういう場合にはたいてい食欲も落ちてしまい、食事からの水分量も減ってしまうという悪循環になってしまいます。

あまりにひどくなった場合には病院で点滴をして水分を補給してあげることになりますが、具合が悪くなる前に、意識してこまめに水を飲むことが大事です。

花粉症

今年もまた花粉症の季節となってきました。
花粉症と言えば花粉に対するアレルギー反応によるものということは皆さまご存知かもしれません。
今回はアレルギーについてお話ししようと思いますが、それにはまず「免疫」というものについてお話しする必要があります。
簡単に言えば、体を細菌やウイルスなどの外敵から守る自衛隊のようなものが免疫ということになります。

その仕組みはものすごく難しいものですが、1つの分類として自然免疫、獲得免疫に分けられます。

例えば宇宙人が釧路に侵攻してきたとしましょうか。釧路に住んでいる方々が、まず警察に通報し、その後自衛隊が派遣されるでしょう。自衛隊は宇宙人の弱点が分からない中、精一杯攻撃してなんとか宇宙人を撃退します。これが自然免疫です。

次に、もう一度宇宙人が釧路に侵攻してきた場合、自衛隊は前回の戦いの経験を生かして、宇宙人に効果的な武器を使って宇宙人を先ほどよりスムーズに撃退します。これが獲得免疫です。

そして、アレルギーはこの獲得免疫が例えば花粉やソバなどに対して過剰に反応してしまうことで引き起こされる病気です。

花粉症の人は花粉に対し自衛隊が攻撃をしかけているのです。花粉が侵入してくる鼻が主戦場となるため、鼻水が出たり鼻づまりが起きてしまいます。

以前、「花粉を運んでるミツバチが花粉症だったら大変だろうな」と思ったことがあります。「花粉症なのに全身花粉まみれにして頑張ってるミツバチがいたとしたら・・・気の毒で仕方ない」と思って調べてみたところ、昆虫には獲得免疫が存在しないそうです。つまり昆虫には花粉症はありません。

さて、花粉症の治療ですが、体の自衛隊を抑えてあげる薬を使うか、マスクなどで花粉の侵入を防いであげることが主なものになります。自衛隊を抑える薬は副作用として、眠気や喉が渇いたりすることがあります。眠気の副作用のため、薬の種類によっては車の運転を控えていただくこともあります。日常生活で車の運転が欠かせない人はお医者さんにご相談ください

インフルエンザ

今日の釧路の天気は、雪ですね。車の運転、足元には十分ご注意下さい。

今年もインフルエンザが流行する季節になってきました。

と、同時に普通の風邪も流行する季節です。

さて、インフルエンザと普通の風邪の違いを御存知でしょうか。

結論から申し上げると、原因となるウイルスの違いです。

インフルエンザは名前の通り、インフルエンザウイルスによるものです。

一方、普通の風邪を引き起こすウイルスにはライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、アデノウイルス、コクサッキーウイルス、エコーウイルスなどがあります。

インフルエンザを含め、それらのウイルスによって引き起こされる、熱が出たり、喉が痛くなったり、咳が出たり、鼻水が出たりする病気のことを風邪症候群と言います。

 

病気になった場合、薬に頼ることになりますが、実はウイルスに対する薬はそれほど多くありません。

ウイルスはものすごく小さい生き物で、人間の細胞の中に巧みに忍び込みますが、そのあまりの小ささに直接薬でやっつけることはできません。

そこで、細胞に忍び込んだウイルスがそれ以上悪さをしないように薬で抑えつつ、体がウイルスをやっつけるのを待つことになります。

先ほど挙げた風邪症候群を起こすウイルスの中で、薬の効くウイルスはインフルエンザウイルスのみです。逆に言えばインフルエンザウイルスは「風邪症候群を引き起こすウイルスの中で薬の効く珍しいウイルス」とも言えます。

 

ただし、ウイルスを直接やっつけることはできないため、インフルエンザに対する薬(タミフルとかリレンザとかイナビルとか今は色々ありますね)を使ったら、翌日には元気!というわけにはいきません。

インフルエンザの薬は治るまでの期間をせいぜい2日短くするだけです。普通は治るまで7日かかるところが5、6日になるという印象ですね。

 

治す主役はあくまで自分の体です。万が一インフルエンザになってしまった場合にも、薬を過信することなく、しっかりと体を休めることに専念しましょう。