古き良きもの

みなさんは、今何歳でしょうか?

いきなりで失礼致しました。

今日は、活版印刷についてお話しようと思います。

活版印刷 ➡ ハンコのように文字や記号を彫り込んだ部品を『活字』といい、その活字を組み合わせて版を作り、そこにインクをつけて印刷する手法。

19世紀(1800年から1900年)には日本にも導入され、印刷はこの手法でなされていました。

この活版印刷。

ある世代の方は、当たり前のように目にしていたもの。そしてある世代はほとんど出会ったことのないもの。あるいは、出会ってもなんとなく通り過ぎていっているのではないのでしょうか?なぜなら、20世紀後半になると、コピー機(複写機)、写真植字などが浸透しこちらが主流となったからです。

さて、活版印刷と今現在の印刷の違いは何でしょうか?

活版印刷は、活字を紙に押し付けることによる凹凸や、インクの溜まりやかすれだけでなくさらには選ぶ紙によっても独特の風合いがあります。触った際の凹凸のほっこりする温かみ。それは、人が手をかけたものだからでしょうか?

歯科でも、今はコンピューターで口腔内のデーターを撮り、機械で削りだし歯の形を形成し、それをセットするという方法もあります。技工士の手をわずらわせないため、日数も早く安価に仕上がります。それが悪いわけでもなく使いわけなのかなと思います。たとえば、見た目の上で大切な前歯や弱っている歯あるいは咬み合わせで機能的にも重要な部分には手をかけてあげる。そんな時は、技工士と綿密に打ち合わせをして作りたいと私たちは思います。

新しい時代を上手く取り入れ、その中で見えてくる昔からある大切なものを私たちは見逃してはならないと感じます。

話は戻りますが、先日、活版印刷の名刺をお願いし作っていただきました。活字を一つ一つ組み合わせるため時間がかかり、それが小さいときはピンセットを使用し手間暇をかけて作られた名刺。

古き良きものを見ること、字の間隔、また行間のバランス一つにしても勉強になると思いました。歯科医師は、常に美しいものを見て感覚を養わなければならないと考えます。

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