10月の世界的大イベントといえば、今年も3日から10日に発表のあったノーベル賞です。
日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹氏。彼は、1949年原子核を構成する陽子と中性子は、中間子と呼ばれる粒子をやりとりすることによって生まれる素粒子物理学の基礎となる理論を提唱した博士です。
彼は、物理学で有名ですが趣味は読書。幼少期から家中に様々なジャンルの書物があり、その大部分は大人が読むような難しい書物ばかりだったそうです。しかし、そのような環境だったためか条件反射のように本を読んでいたそうです。そんな彼は、1963年に『本の中の世界』という本を出しています。この本の中で、博士は歯科の世界でも感じる感覚をこのように書いています。
【自然は曲線を創り、人間は直線を作る】
自然界にはなぜ曲線ばかりが現れるか。その理由は簡単である。特別の理由なくして、偶然に直線が実現される確率は、その他の一般の曲線が実現される確率に比して無限に小さいからである。しからば人間は何故に直線を選ぶか。それが最も簡単な規則に従うという意味において取り扱いに最も便利だからである。
歯科においてこれを感じる場面は、いくつかあります。
例えば、
➀スマイルライン
(口角をあげて笑ったときに見える、上の前歯の先端を結んだ線の事)
下唇のラインに沿って緩やかな曲線を描いているのが美しいとされています。
②前歯の形(写真ピンク)
曲線の強さに差があります。
③前歯の色を捉える為のマメロン(写真みどり)
発育葉と呼ばれる内部構造。前歯の差し歯やプラスチックでの修復の際の透明部分、そうでない部分の目安であり光の反射やコントラストなどもこれを参考に決めます。
私たちは、いかに自然に見えるかを考え修復します。それは、左右対称過ぎても問題があり、違和感がないように設計するのに試行錯誤をします。大きな鏡で全身像を見てもらい確認を取ることも、横顔を合わせ鏡で確認してもらうこともあります。
たとえ、患者さんがOKを出しても、私たちはもっと自然にと思い、再度技工士と相談することもあります。それほど、自然に出来上がったものを人工的に修復することは難しいです。そして、ほんのちょっとと思うような修正で見え方が全然違います。しかし、こだわった分、綺麗にセットできた時は本当に嬉しいものです。
前歯や入れ歯など、自然に見せたいと誰もが思う部位を自然に見えるようこだわって作っておりますので、そんな本間歯科にお付き合いください。