先日、東京でICOI国際インプラント学会に参加してきました。
当院では、2016年まででインプラント321例の実績があり、現在も行っております。失った歯を補う治療の選択肢として今も人気が高いように感じます。 そして、インプラントは進化し続け初期よりも骨に安定しやすい加工がなされ性能が良くなってきています。
今回の学会では、インプラントについてはもちろんですが『歯を失う』ことにより転倒リスクが2.5倍になることについても話がありました。歯を失ったままにしていると下顎が不安定になり、体のバランスが低下し転倒しやすくなることが原因です。これは、厚労省の研究班の調査からわかりました。
「2.5倍転びやすくなったところでどうなの?」と思う方もいるかもしれません。しかし、これは非常に重要な話です。 骨は加齢により年々弱くなります。骨が弱くなった方が転倒すると骨折する可能性が上がります。 高齢者が転倒した場合、よく折れる骨に両脚の付け根の大腿骨というものがあります。欧米の研究ではこの部分の骨折をした方は骨折直後の3カ月間での死亡率が通常の方の5倍から8倍になり、この高い死亡率は最長10年間続くという結果があります。
骨折自体が命に関わってくることはそれほど多くありません。しかし、脚の付け根を骨折するわけですから、しばらく寝たきりの状態となってしまいます。その間に体力が落ちてしまい肺炎を起こしてしまったりすることで死亡率が上がるのです。
歯を失いそのままにしている方もいるかもしれません。インプラントに限らず、歯を失った部位には入れ歯やブリッジといった選択肢があります。歯を失いお困りの方は1度ご相談いただけたらと思います。また、残念ながら自分の歯の勝るものはありません。歯をこれ以上失わないようにどうしていくべきかもあわせてお話していきたいと思います。