皆さん、いかがお過ごしでしょうか?
本間歯科は、落葉シーズン到来で落ち葉拾いに追われる秋を過ごしておりました。
この『落葉』という言葉は、晩秋から冬にかけての季語であり木々が葉を落とす様を表している風情ある言葉です。
では『落語』これはどのような意味合いの言葉でしょうか?
これは、江戸時代から現在まで伝承されている話芸の一種で話の最後に「落ち・オチ」がつくことが特徴です。また、凝った衣装や大掛かりな舞台を必要としない演じ手の技巧と聴衆の想像で物語の世界が広がっていく極めてシンプルでかつ日本らしい伝統芸です。落語に皆さんは馴染みがあるかわかりませんが、私には落語かもわからない子供の頃の記憶があります。今時珍しい話ですが、祖母の家に泊まりに行くと寝る前に絵本ではなく落語を聞かされていました。それが今となって落語の面白みを知ることになり不思議なものですが、その当時聞いていた落語の演目は、『寿限無(ジュゲム)』この演目1択でした。名作落語なので、ご存知かと思います。
ある日、子供が友達に殴られて出来たこぶを父親に訴えるのですがその友達というのが、縁起のいい名前をたくさんつけたそれはそれは長い名前の子だったためその長い名前を繰り返し言ううちに時間が経ってしまい殴られて出来たこぶが引っ込んでしまったというお話です。
例えば、この話を歯科に当てはめてみるとどうでしょうか。
これから治療する説明を長く話し続け、説明を終え、いざ治療を始めようとした時には「虫歯がなくなった」「痛みが消えた」となれば、治療の必要がなくなります。そんなことが起きればとてもハッピーで、「もっとお話を!」とお声がかかりそうな気がしてしまいます。
しかし、実際はそうははいきません。長々とあれよこれよと説明するばかりを繰り返す。そんなことをしたら患者さんと険悪になり、話してる暇があるのならば手を動かせとこうなるわけです。
つまり、一刻も早く患者さんの主訴(患者さんの一番気になっていること)を取り除けるよう正確な診断をし、簡潔的に説明、それに応じた治療にすぐとりかかることが我々の全てになります。また、患者さんも話を聞いている間に自然に治ることはないので治療をしなければなりません。
というわけで、今回は寿限無のような面白い話とそうはいかない現実の話の両方を書きましたが寿限無はやはり名作ですね。
▶️ お時間のある方は、落語の寿限無をお楽しみください。
