歯磨きタブレット

皆さんは、歯磨きタブレットをご存知でしょうか?

日本ではあまり馴染みのないものなので聞いたことがない方も多いかもしれません。

イギリスに本店を構える自然派化粧品ブランドLUSHで販売されています。保存料が含まれていないことが魅力のひとつです。私がこれを知ったのはイギリスで友人に紹介されたのがきっかけでした。

そもそも、歯磨きタブレットと言われても想像がつかないかもしれません。簡単にいうと、固形の歯磨き粉です。ラムネのような形をしており、持ち運びに便利です。チューブ型の歯磨き粉は、使い切ることが難しいですがこれはその心配もありません。

使い心地はひとそれぞれなので、一度試していただくのが良いと思います。少しですが本間歯科にも置いておりますので、興味のある方はご相談ください。

妊娠期における歯科治療

日増しに秋の深まりを感じる季節になってきました。これからの季節は冷え込みが厳しくなるので体調管理を注意しましょう。

さて今回は、妊娠期における歯科治療についてお話しようと思います。

女性のライフステージにおいて新たな命を宿すという妊娠は重要なイベントです。その小さな命を育むため女性の体内では女性ホルモンが増加してきます。この女性ホルモンの増加は歯肉の腫脹、易出血性など口腔内へ影響を及ぼします。このホルモンの影響で歯周病は急速に進行してしまいます。さらに少量頻回の食事、つわりに伴う嘔吐やすっぱいものを好むようになることで口腔内が酸性に傾き、また唾液の分泌量は減り、ねばねばするため自浄作用がなくなり口腔環境は悪化傾向になると言われています。このことから平成24年4月に改訂された『母子健康手帳』にも「虫歯や歯周病などの病気は妊娠中に悪くなりやすいものです。歯周病は早産などの原因になることがあるので注意し、歯科医師に相談しましょう。歯科医師にかかるときは妊娠中であることを話してください。」と明記されました。

実際に妊娠中は、どの時期まで治療できるのか?妊娠しているがレントゲンや麻酔は大丈夫なのか?このあたりが疑問になってくるのではないでしょうか?

妊娠初期(妊娠0週~15週)は、胎児の重要な器官が形成される時期であり、流産の危険性もあるため可能であれば応急的な処置で対応することになります。妊娠中期(妊娠16~27週)は胎盤が完成して胎児も安定する時期であり外科処置を含む一般的な歯科治療ができます。産婦人科医の許可を得たうえで抜歯も可能です。妊娠後期(妊娠28週~39週)では診療姿勢などの配慮が必要になってきます。妊娠前に口腔内環境を整えることをお勧めしますが、妊娠中期には治療ができるようになるので不安な方は相談していただけたらと思います。

次に、レントゲンや麻酔についてです。歯科のレントゲンは被ばく量が少ないため、また口腔と胎児との間に距離があることから胎児への影響は無視できるレベル言われています。

一般的な歯科治療の際に必要とする局所麻酔は、意外かもしれませんが妊娠全週にわたりほぼ問題なく使用可能です。疼痛を我慢することの方が母体・胎児に悪影響をおよぼすと言われています。

 

妊娠は、正常な生理的現象ですが、ホルモンバランスの変化により妊娠特有の症状が体にでることがあります。当院では医科との連携をとることで妊娠中も患者さんに安心して診療を受けていただけるよう努めています。

今週から女性の先生もいますので、この機会に受診していただいたら良いのではないかと思います。

インプラントを長持ちさせるために

先日、知人から『インプラントが入っている場合、メインテナンスはどれくらいの頻度で通うべきか?転勤になってしまった場合はどうしたら良いのか?』と質問をされました。

当院でよくお話しするのは、インプラントが入っているから特別ということはなく、口腔内次第ということです。

簡単にいうと、歯周病があったり、汚れていたりと口腔内がの環境が不良であればインプラントも痛むというイメージです。そのため、歯ブラシを上手に当てることができない方や体調管理が難しくなった方は医師と相談の上メインテナンスの時期を決めたほうが良いと思います。

当院では、歯磨きを指導したうえでインプラントを行いますので通常であれば定期検診同様で半年、1年に1度のメインテナンスを勧めています。しかし、歯ブラシに不安が残る方やご高齢になり免疫力が低下した方などは早めのメインテナンスを勧めることもあります。患者さん1人1人にあった歯科診療を提案し続けたいと思っています。

また、当院では転勤の際には転勤先の歯科医院への紹介も行っています。ご不明な点があれば遠慮なくご相談ください。

学校健診

春が近づき学生の皆さんは新学期が始まります。

本間歯科は、学校医をしているので今年も4月25日、27日に釧路湖陵高校へ健診に参ります。

時間帯によっては、ご迷惑をおかけするかもしれませんがよろしくお願い致します。

『学校健診』は、小学校から高等学校までの12年間は学校保健法で歯科健診が義務づけられており少なくとも1年に1回は実地されています。

大人になると、職場によっては歯の健診があるかもしれませんが、多くはないのではないでしょうか。欧米では、歯周病を「silent disease」=「静かなる病気」と呼んでいます。これは、患者さん自身が進行や再発を自覚することが困難であるということです。また、虫歯も痛みが出てからでは治療が困難になってしまうことがあります。

この機会に一度『歯の検診』を受けてみてはどうでしょうか?

 

歯を残すということ

抜歯をしなければならない歯を残すことがしばしばあります。明らかにグラグラしていて、常識的に考えれば抜かなければならない歯であっても、患者さんが「なんとか残したい」と希望すれば我々歯科医師はなんとかしようと努力します。

しかし、そういった不安定な歯は腫れやすい、硬いものは食べられないなどのリスクがあります。そのことを患者さんにも理解していただかなければなりません。

今日は、そのような歯をいま抱えている方に読んでいただきたいです。

当院に来院している方はご存知かもしれませんが当院では、【歯じょうぶ 胃じょうぶ 大じょうぶ】と書いてあるプリントをお渡しすることがあります。

歯を治すこと『歯じょうぶ』が私たち歯科医師の仕事ではありますが、

歯を治したその先にはそれを使い食べること『胃じょうぶ』がゴールとして設定されています。

最近、栄養士とお話する機会があり、このような話をしたときにちょっとした工夫を聞きました。

急なお話ですが、酢豚。

酢豚のお肉のイメージは、たいていの方は四角い肉の塊ではないでしょうか?硬いものもあると思います。

家庭で作る際に、お肉を豚細切れ肉に変えてみてください。それに下味をつけ、何枚かクルクルと丸め軽くにぎり、それに片栗粉をつけ焼くそうです。そうすると、塊には見えるが層になっているので食べやすいとのことでした。

「そんな工夫が?」と思い試してみましたが確かに食べやすかったです。揚げない酢豚なので胃にも優しいと一石二鳥。そして、これは他の料理にも応用がききます。参考になればと思います。

歯がどんな状況でも『大じょうぶ』 安心して御相談ください。

【歯じょうぶ 胃じょうぶ 大じょうぶ】

食べるというゴールまで、サポートします。

 

歯周病 no.2

歯周病 no.1で

歯肉の炎症を起こし、歯を支える骨にも影響を与えるバイオフィルムについてお話しました。バイオフィルムが歯周病のはじまりであり、バイオフィルムを作らない事が歯周病予防の第一歩です。

効果的なプラークバイオフィルムの除去方法は

   ➡   歯磨き以外にありません。

一度できてしまったバイオフィルムを完全に取り除く事は困難ですが、初期段階のものであれば、十分歯ブラシで除去できます。
つまり毎日の歯磨きは、唯一にして最も効果的な歯周病予防です。

先日、日本大学の歯周病学特任教授の講演会に出席しました。

私たちが行う歯周治療に加え、患者さんが歯周病治療に積極的に参加し家庭で的確にプラークバイオフィルムを除去すれば、予防、その進行を停止させることは可能であろうと話していました。

最後の質問タイムの時間で、「色々な歯磨き粉が売られている中でお勧めは?」という質問がありました。『Systema薬用デンタルリンス』をあげていました。これは、バイオフィルムに唯一浸透し、殺菌をしてくれます。当院でも、導入し販売もしておりますが歯もツルっとしお勧めです。

※症状によっては、違うものを勧める場合もあります。

ついてしまった歯石などは、もちろんこちらで除去しますが日々の歯磨きは欠かせません。

現在歯科医学は、非常な勢いで進んでおり、私、スタッフとも一生懸命勉強し、日々の診療をしておりますが歯周病(歯槽膿漏)、虫歯の予防及び治療後の予防には歯磨き以外考えられないと思っています。

ご自身の歯、治療した歯を長く使っていけるようアドバイスさせていただきます。

 

 

 

歯周病について  no.1

歯周病

歯茎の腫れや歯磨きで歯茎から出血したり、歯がぐらぐらするといった症状の原因には歯周病が考えられます。

歯周病とは、歯周組織(歯肉、歯槽骨など)に起こる病気です。

 

バイオフィルム ➡ 歯周病


歯周病は、バイオフィルムが作られることからはじまります。

バイオフィルムは、日本語で『菌膜』複数の微生物が集合して作る構造体のことをいいます。

例えば、台所の排水溝がぬるぬるしているのもバイオフィルムの仕業です。

口腔内に発生するものは プラークバイオフィルム(歯垢)と呼ばれ区別されています。

プラークバイオフィルムができるまで

形成にはいくつかの段階を経る必要があります。

 ペリクル(唾液に含まれる有機物)の吸着

  ⇩

 細菌の定着  ペリクルのタンパク質を好む細菌がその上を覆っていきます。

  ⇩

 バイオフィルムの完成

細菌が形を成してくると、ここで表面にネバネバした膜が作られます。
この状態がプラークバイオフィルム(歯垢)と呼ばれます。

ここまで来ると、薬用成分もバイオフィルムの中までは届かなくなりますし、歯を丈夫にするというフッ素も届きません。

さらに、プラークは石灰質と結合し『歯石』になる事で、物理的な強度を高めて歯ブラシ程度では手が出ない固さになってしまいます。

これらの事から、一度バイオフィルムが形成されてしまうと、取り除くのが非常に困難です。

歯周病予防は、いかにバイオフィルムが作られる前に除去できるかにかかっています。