夏の季語

イギリスに住んでいる友人からヴァカンスでギリシャに行ってきたよとメールが来ました。ヨーロッパにいると色々な国が近く、旅行しやすいことに驚きます。しかし、楽しいだけではどうやらなかったようで連日続く猛暑のため行動は17時過ぎからだったとのこと。

日本には、夏の暑さも和らぎはじめる夕暮れ時に、戸外に出て夕風にあたることを指す【夕涼み】という夏の季語があります。

夕涼みといえば、縁側に座り風鈴の音を楽しみ、団扇で仰ぎ、麦茶にスイカというイメージがあるのですが私だけでしょうか?これに浴衣だったら最高に日本の夏を満喫といったとろではないかなと個人的に思っています。ということで、今日は浴衣について話したいと思います。

浴衣の歴史は、平安時代の貴族が蒸し風呂に入る際に蒸気でやけどをしないように着たことから始まります。麻素材で汗をかいても吸収し、風通しの良いことから湯上りにも着られる着衣となり、就寝時にも良いのではないかと寝間着として用いられるようになりました。布は麻から木綿を使われることが多くなり、その後江戸時代の中期に入り今の着方に近いちょっとした外出着にも着られるようになりました。江戸時代に流行った要因としては、盆踊り、花見などのイベントが盛んになったことと天保の改革が関わっているそうです。天保の改革で町人は絹を着てはならないという掟が出されたといいます。そのため、木綿の浴衣が並々発達したと記されていました。浴衣が夏の普段着として定着したのは明治時代に入ってからです。

浴衣には、日本の夏を過ごす工夫が凝らされています。通気性などは上記にも述べましたが、例えば浴衣の定番カラーとして定着した『藍色』。藍色の浴衣は、藍色に染める為に使われている天然の藍の香りを虫が嫌うため虫除けなどの実用的な理由からも重宝されていたと考えられています。

日本の良き伝統の浴衣。ぜひ、この機会に、楽しんでみてはどうでしょうか。