桜開花予想

19日、日本気象協会は2024年桜開花予想を発表しました。平年並みか少し早いようです。

桜を使ったことわざに、『桜は花に顕る』があります。

これは、普段目立たぬ存在だった者が何かことがあった時に、優れた才能を世に表し非凡であることが知れることのたとえです。花が咲かなければ他の木と同じく分からなかったのが、美しい開花で初めてそれが桜であったことが知られるということからきているそうです。才能は生まれつきだとなると難しいですが、日々の訓練とチャンスが来た時にそれを掴める自分になることは誰にでも出来ることなので良いことわざなのではないかなと思います。

まだ釧路は寒いですが、春に向けて前進です。

ホワイトデーの白

3月14日は、ホワイトデーです。ホワイトデーは、1980年にお菓子会社の「バレンタインのお返しにお菓子を」というアイディアから始まったものです。それにしても、なぜホワイトなのでしょう。

調べてみると、『白は、純愛のシンボル』だからだそうです。しかしこの白、純愛のシンボルだけではありません。

白は、歯科医院のシンボルでもあります。それを裏付けるようかのように、ホワイトを歯科医院の名称に入れている医院もありますし、白い歯にかけた語呂を医院の電話番号に使用している医院もあります。歯科医院のシンボルともなる白。要するに、白は歯にとってのシンボルそのものなのです。

歯にとって白は、健康の象徴であり、若さの象徴です。歯が不健康な時、例えば虫歯になると歯は白から茶色や黒色に次第になります。神経がダメになってしまっていた場合もまた歯は茶色くなっていきます。若さの象徴というと、語弊があるかもしれませんが年を重ねると徐々に歯は黄色くなってしまいます。これは誰しも起こり得ることです。

そしてこの歯でいうところの白というのは、非常に難しいものでただ白ければ良いというわけにはいきません。その人、個人に合った白が必ずあります。笑った時に歯にだけ注目がいってしまうというようでは困ってしまいます。つまり、ホワイトニングをする際はプロがしっかり把握しどのあたりまで白くするのが自然かを判断する必要があります。最近は、昔と違い年齢の高い方のホワイトニングも全国的に増えています。この背景にはご自身の歯が残っている方が増えてきていることが挙げられます。

春爛漫、気分の上がる春に「歯を白くしたい」とお考えの方は一度ご相談下さい。

個性とは

2月22日は、『にゃーにゃーにゃー』猫の日です。猫の日ということでキティちゃんについて書こうとしていたのですが、実は彼女は猫ではないことを私は知ってしまいました。私だけが知らなかったことなのでしょうか?

さて、気を取り直して『猫も老人も、役立たずでけっこう』という養老孟司先生の本についてお話しようかと思います。この本は、先生が愛猫まるを通して人間社会を考察したエッセイです。その中から個性について今回は、お話したいと思います。

個性とは、何をいうのか?戦後から個性の連呼が始まり、今の教育は「個性をのばす」「個性を尊重する」とよく聞きます。多くの人は、個性は心だと思っているのではないか、人と違った考え方や行動を個性だと勘違いしているようにみえると、養老先生は言っています。

しかし、極端な話ですがみんなが喜んでいる時に一人だけ泣いている子がいたとします。きっと「どうしたの?」とまわりは声をかけるでしょう。そこでおかしな言葉が返ってきたらみんなびっくりしてしまいます。あまりにもおかしな言葉であれば一度病院を勧めるかもしれません。感情というものは、一致しなければなりません。自分だけの感情は、対人関係においては無意味です。心は、共通が必要。つまり、同じであることが存在します。

一方、個性は同じものがないということです。つまり、個性とは心ではなく身体だと言っています。

歯科医院ではどうだろうと考えた時、この身体という個性に携わっています。歯は、基本の形は決まっているものの年齢、性別、骨格や習慣などによって一人一人まったく異なります。この個性をいかに以前のように再現するかが重要です。そのため、本人への確認はもちろんですが、治療前後の写真や型採りなど慎重に繰り返し技工士さんとも打ち合わせをします。ご自身の歯を何本か失ってしまったり、それが特に前歯部だった場合は以前の写真を持ってきていただいて参考にすることもあります。個性というものの捉え方、それを生かすための診療をより一層心がけたいと思わせてくれるような一冊でした。

猫の歯 ▶️ ニャーニャーニャーの日

 

ちょこっとチョコの話

今日は、バレンタインですね。バレンタインといえば、チョコレート。

昔ながらの明治チョコレート『板チョコ』は、年齢を問わず皆さんも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。

私は、このチョコレートに思い出があります。それは、祖父の家へ遊びに行った帰りの私の手には必ずこのチョコレートがあったからです。

私は、チョコレートが大好きで祖父は私が遊びに行く前には必ず買って用意をしてくれていました。しかし、それを簡単に貰うことはできませんでした。祖父は、当たり前のように私が来る前に本棚にそれを隠し、私はそれを当たり前のように探すという一風変わった光景が毎回繰り広げられていました。色も大きさも同じ医学書と医学書の隙間に隠された薄く茶色の包装紙の板チョコを探すのは幼い私には至難の業でした。最後は食べたいのかもわからず、ただただ探していたチョコレート。

これが良い思い出となって、今でもこの明治の板チョコを見ると祖父の本棚の記憶が鮮明に蘇ります。私のチョレート歴史は、おそらくここがスタートです。私のチョコレート歴史とは比べられないほど歴史のある明治チョコレート。

それでは、話は戻り HAPPY VALENTINE!

 

 

 

花粉症のお話

1月後半からテレビなどで『花粉の飛散』情報が流れていました。それと同時期に、花粉の少ない地域の検索がトップに上がっていました。花粉を逃れたいという気持ちのあらわれでしょうか。

何となく杉のない北海道が上位に上がっているのではないかなと開いたページには

1位 宮古島=沖縄

2位 釧路=北海道 

3位 草津温泉=群馬

4位 八丈島=東京

5位 奄美群島=鹿児島

北海道の釧路がなんと2位でした。理由は、札幌や帯広などと比べても雪が少ないうえに日照時間が長く、晴れの日が多いことから清々しい冬晴れを楽しめる観光地だからだそうです。また、花粉から逃れるだけでなく天然記念物のまりもが有名な阿寒湖、タンチョウ鶴が舞う雄大な釧路湿原そして美味しい海の幸を楽しむことができるという総合的な評価からの結果でした。住んでると忘れがちになりますが、「釧路の皆さん、どうやら釧路って最高のようですよ!」。

 

それでは、毎年載せていますが花粉症のお話です。

花粉症と言えば花粉に対するアレルギー反応によるものということは皆さまご存知かもしれません。
今回はアレルギーについてお話ししようと思いますが、それにはまず「免疫」というものについてお話しする必要があります。
簡単に言えば、体を細菌やウイルスなどの外敵から守る自衛隊のようなものが免疫ということになります。

その仕組みはものすごく難しいものですが、1つの分類として自然免疫、獲得免疫に分けられます。

例えば宇宙人が釧路に侵攻してきたとしましょうか。釧路に住んでいる方々が、まず警察に通報し、その後自衛隊が派遣されるでしょう。自衛隊は宇宙人の弱点が分からない中、精一杯攻撃してなんとか宇宙人を撃退します。これが自然免疫です。

次に、もう一度宇宙人が釧路に侵攻してきた場合、自衛隊は前回の戦いの経験を生かして、宇宙人に効果的な武器を使って宇宙人を先ほどよりスムーズに撃退します。これが獲得免疫です。

そして、アレルギーはこの獲得免疫が例えば花粉やソバなどに対して過剰に反応してしまうことで引き起こされる病気です。

花粉症の人は花粉に対し自衛隊が攻撃をしかけているのです。花粉が侵入してくる鼻が主戦場となるため、鼻水が出たり鼻づまりが起きてしまいます。

以前、「花粉を運んでるミツバチが花粉症だったら大変だろうな」と思ったことがあります。「花粉症なのに全身花粉まみれにして頑張ってるミツバチがいたとしたら・・・気の毒で仕方ない」と思って調べてみたところ、昆虫には獲得免疫が存在しないそうです。つまり昆虫には花粉症はありません。

さて、花粉症の治療ですが、体の自衛隊を抑えてあげる薬を使うか、マスクなどで花粉の侵入を防いであげることが主なものになります。自衛隊を抑える薬は副作用として、眠気や喉が渇いたりすることがあります。眠気の副作用のため、薬の種類によっては車の運転を控えていただくこともあります。日常生活で車の運転が欠かせない人はお医者さんにご相談ください

心留まる一節

先日、友人から礼状が届きました。私達の世代であれば、メールだったり、電話あるいはハガキが多いように感じますが彼女はお手紙をくれました。それも、ボールペンではなく筆ペンのようなもので書かれていた手紙。文の内容もですが、その書風がこちら方がありがとうと思ってしまうようなほっこりさせるものがありました。日本っていいなと思う瞬間でもありました。

さて、私は今年に入りほっこりしたことがもう一つあります。それは今年の初めに読んだ古書です。その本はお料理が軸となっていますが、文も添えられてあるものでした。いわゆる料理とは、少し違うような気もするおむすび。しかし、私はこのページに目が止まりました。最初にこのように問いています。

「皆さんは、出来合いのおむすびに感じた何故だか満たされぬ思いはないでしょうか。」

この感覚は、明らかに人の手のぬくもりがないことに対するもどかしさがあるのではないかと筆者は考えており、おむすびというものを説いたある一節を紹介していました。

「おむすびは、指先でつくるものではなく、掌と掌をぴったりと密着させる心持ちでご飯の粒が結ばれるようにつくるのです。掌と掌をあわせるとき、それは神仏に対する敬虔な拍手、合掌などに通じるものがあります。」という一節です。平安時代から稲作の歴史と共に歩み続けているおむすび。遠足だったり運動会など陽だまりの中で食べたおむすびは、母親の掌の温もりがあってこその美味しさだったのかなと思わせる内容でした。『おむすび』は、とても日本らしい優しい言葉に感じました。

「日本っていいな」なんてほっこり話も良いのですが、もうそろそろ日本の固有種杉の花粉のシーズンです。ほっこりなどしていられない方がたくさんいます。杉が悪いわけでもなく、私たちが悪いわけでもなく、ただただ相性の悪いシーズンの到来です。次回は、花粉症について書きたいと思います。

災害時の口腔ケア資料

能登半島地震により被災された皆さま及び関係者の方々へ

このたび、石川県能登半島地震により被災された皆さまに心からお見舞い申し上げます。また、被災者の救済と被災地の復興支援のために尽力されている方々に深く敬意を表します。被災地では、余震と寒さの中、不安が募る状況が続いておられますが、皆さまの安全と1日も早い復興をお祈りしております。

 

歯科医師会よりこのような資料が公開されています。震災に遭われた方だけではなく、私たちも知っておくべき内容です。今一度、ご確認下さい。

【動画】

災害時の磨き方

https://youtu.be/DWFXeOaBxgY?si=SRTnM9Z37IUclXgO

災害時の義歯の磨き方

https://youtu.be/MNYEK7_r42k?si=-iR-ZC7_JLKL4bmb

災害時の唾液腺マッサージ

https://youtu.be/dk5zMVwPW-U?si=3yzW8l1a2eR3F9vR

 

治療のその先

みなさんは、今年に入りもう笑ったでしょうか? 日本には、『初笑い』という言葉があります。『初笑い』とは新年になって初めて笑うことです。これは「笑う門には福きたる」という言葉通り一年が笑いに満ちた幸多い年であるようにという願いが込められている季語でもあります。

しかし、この笑うという行為がいけないこととされていた国がありました。それは、フランス(パリ)です。17世紀18世紀初めに描かれた絵には笑みはなく、笑みを描いた絵には抵抗を感じていたそうです。この時代は、笑顔を隠して生きていくのがスタンダードであり、当時フランスの権力の中枢であったヴェルサイユ宮殿でもここに集う上流階級の人たちは笑顔を見せていなかったと言われています。

この歴史がどう変化してパリ市民は自然な笑顔を取り戻したのかを調査・研究した人物がいます。彼の名は、コリン・ジョーンズ氏で、Smail Revolutionという本にまとめられています。

その本によると、18世紀のフランスでは特権階級に属するほとんどの人々が砂糖の摂りすぎで口の中に大量の虫歯を抱えていたそうです。それが理由でなのか口を開けて笑う行為には抵抗があったようです。また笑う事自体に良い意味を持たない時代を裏付けるようにフランス語で微笑みは「sourire」と書きます。これは、「sous(下)」「rire(笑う)」が合わさり出来た単語で、自分より身分の低い者を笑うというところからうまれたとも言われています。1789年からフランス革命が起き、それまでの王政が崩壊することになり徐々に上流階級の人が市民と交流するようになり笑顔を見せ合うように変化していったと言われています。

また、1720年代には近代歯科の父とも呼ばれるピエール・フォシャール(外科医・当時は外科医が歯科治療を行う)の出現も関わっているようで、それまでの治療は虫歯になったら抜くしかないといった治療がいわゆる現代に近い治療スタイルに変わり歯がない状態を回避できるようになったことも影響しているようです。笑いに対する否定的な認識は、18世紀半ば頃解かれます。

笑いが肯定的に変わる、それには歯科医師の存在もあったことが彼の記載からわかります。抜歯ではなく、なるべく歯を残し機能回復に努めた結果が笑顔の獲得であったのであれば、本当に素敵なことだと思います。

私たち歯科に携わるものは治療をすることが全てですが、その先に患者さんとって素敵なことが待っていたらより良いなと思います。そんなことを思いながら2024年もスタッフ一同邁進して参ります。