最近、随分寒くなってきました。夏にビールをたくさん飲んだ方もいらっしゃるのではないでしょうか。ビールと言えば『尿酸値』。この値が高いと痛風という病気になることがあります。
今回は尿酸についてお話ししたいと思います。
尿酸のお話をする前に、一つ別のお話をさせてください。窒素の話です。窒素は、地球の大気の中に最も多く含まれる元素です。空気の中の8割は窒素です。
我々の周りはほぼ窒素といっても過言ではありません!それだけありふれている窒素ですから、生物は窒素をフル活用しています。具体的に挙げると、生物の体を作るタンパク質というものがありますが、その材料のアミノ酸には窒素が必ず含まれていますし、遺伝子であるDNAの中にも必ず含まれています。
さて、とにもかくにも生物には欠かすことのできない窒素。生物はその窒素を色々な方法で体に取り入れます。植物は土壌から吸収しますし、動物は植物を食べたり、他の動物を食べたりすることで体に取り入れます。しかし、窒素を取り入れてるだけでは体が窒素でパンクしてしまいます。そこで、窒素を捨てることも必要です。
窒素の最もありふれている形は気体ですが、残念ながら動物は気体の形では窒素を捨てることができません。息を吐くことで窒素を捨てることはできないということです。では、どうやって窒素を捨てるか。気体で捨てることができないのであれば・・・固体か液体しかありません。
では、固体として捨てるのと、液体として捨てるのはどちらがいいかということです。ここで生物はなかなか器用に窒素をどちらの形で捨てるかを使い分けています。それは、「硬い殻の卵から産まれる生物は固体として捨てる」ということです。硬い殻の卵・・・すぐに思いつくのは鶏の卵やウズラの卵などでしょうか。鳥は卵のときにも窒素を捨てないといけませんが、硬い卵の中に入っているので、窒素を外に捨てることはできません。そこで、窒素をギュッと濃縮して、固体の塊にして卵の殻の中に置いています。この窒素の塊が尿酸です。尿酸をようやく登場させることができました。
ただ、ここまで随分長い話になってしまいましたので、続きは次回とさせていただきます。