『国民皆歯科検診』の導入の検討というニュースを見ました。これは、すべての国民に毎年の歯科検診を義務づけるというものです。この政策は、歯の健康を維持し他の病気の誘発を防止し、医療費抑制につなげることを目的としているそうです。すべての国民に義務となると賛否両論あるようです。
ところで、この政策の根本にある『他の病気の誘発を防止する』どういう意味かなと思った人もいるのではないでしょうか?
2020年印象的なニュースだったのでブログでも取り上げましたが
『歯周病菌が体内に侵入すると、記憶障害を起こす原因の異常たんぱく質が脳に蓄積することを加速させてしまう。』というものです。
その仕組みを九州大学などの研究チームが解明しました。この発見は、記憶障害が症状である認知症の対策につながるのではないかと期待されているという話でした。
歯周病に関与している細菌をここでは歯周病菌と言っています。口腔内には300~400種類の細菌が存在していますが、その中で歯周病の原因になりうる菌は10~20種類と言われています。例えば、アクチノバチルス、アクチノマイセテムコミタンス、プロフィロモナス・ジンジバリス、プレボテーラ・インテルメディア、スピロヘータなどがあげられます。これらの菌が歯と歯茎の間で増殖することで歯周病へと発展していきます。
この歯周病菌が口腔内のみではなく、全身へ入り込み様々な全身疾患を起こすことはかなり以前からわかっています。
たとえば、糖尿病、気管支炎、肺炎、心臓疾患(心筋梗塞、心内膜炎、狭心症)、脳卒中などがあげられます。
これらの万病を予防するためには、正しい口腔ケアが推奨されます。それをすれば、少なくとも「歯周病菌が原因」となることは防ぐことができます。
そのために、正しい口腔ケアがどのようなものなのかを知るということはとても重要なことです。
そして、それを自分がどこまでできるのかを知ることも大切です。口腔ケアの正解はありますが、年齢、生活環境、ご病気などによってご自身の毎日できる口腔ケアには限界があると思います。
かかりつけ医で、治療の他、自分に合った口腔ケアを知ることが何よりも重要だと本間歯科では考えます。